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jwhisky.de「成功の秘訣は、生産者にもお客様にも、公正かつ誠実であること」

8月 12, 2026 by Bjoern Eichstaedt and Emily Bischof

ユルゲン・リーベナウ氏はビジネスパートナーとともに、jwhisky.deとjsake.deを、ジャパニーズウイスキーと日本酒を専門に扱う欧州有数のオンラインショップへと成長させてきました。すべては2014年、ミュンヘンの地下室から始まりました。ドイツでは入手の難しかったジャパニーズウイスキーを届けたいという思いが、事業の出発点となりました。2022年には、新たな事業の柱としてjsake.deを立ち上げ、日本酒の取り扱いも開始しました。現在は、手頃な価格で楽しめる初心者向けのブレンデッドウイスキーから希少な蒸留酒、小規模な家族経営の酒蔵が手がけるクラフト日本酒まで、幅広い商品を取りそろえています。その品ぞろえは、ジャパニーズウイスキーと日本酒の専門店として欧州でも屈指の規模を誇ります。

J-BIGは、ミュンヘンに拠点を置くJB Trade GmbHの創業者兼代表取締役、ユルゲン・リーベナウ氏にインタビューしました。ドイツでのジャパニーズウイスキーブームをどのように支えてきたのか、日本と欧州のウイスキー・日本酒市場が現在抱える課題、二つの事業を展開することで生まれた相乗効果、そして今後の展望について話を聞きました。

―― 2014年にjwhisky.deを立ち上げる以前は、どのような仕事をされていたのでしょうか。

ユルゲン・リーベナウ: 私のキャリアの原点には、家族の存在があります。家族はみんなアジアが大好きで、その影響もあり、私も幼い頃から自然とアジアに興味を持つようになりました。

大学で国際経営学を学んだ後、バンコクで1年間働きました。当時は就労ビザを持っていても、タイに滞在できる期間が限られていたため、定期的に国外へ出る必要がありました。そこで、その機会を利用してアジア各地を旅していました。

そうした旅の途中、韓国で日本に住むイギリス人男性と出会いました。私たちはすぐに意気投合し、彼を通じて初めて、日本という国を身近に感じるようになりました。

その後、測定機器やカメラシステムを手がける日本企業KEYENCEに入社し、営業を担当しました。中間管理職や経営幹部の多くが日本人だったため、日本の企業文化を実際に体験することができました。

初めてジャパニーズウイスキーに触れたときのこと、そしてそこからどのようにしてこのビジネスの構想が生まれたのかを語るリーベナウ氏 // Photo series: Leonhard Huber
―― 測定技術の分野で働いていたところから、どのようにしてジャパニーズウイスキーの輸入を始めることになったのでしょうか。

ユルゲン・リーベナウ: ウイスキー事業を始める決定的なきっかけとなったのは、ちょっとした試みでした。友人が日本を訪れるたびに、ドイツでは手に入らないウイスキーを持ち帰っていたのです。

2012年、彼からキリンの「富士山麓 樽熟50°」を数本もらいました。当時、私は営業の仕事をしていたこともあり、ドイツでどのような反応があるのか試してみたくなりました。そこで、そのうちの何本かをeBayに出品してみたところ、予想を上回る大きな反響がありました。

その年の大みそか、私は友人に「ジャパニーズウイスキーをドイツに輸入しよう」と持ちかけました。そして2014年、そのアイデアを実際の事業として形にしたのです。

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―― まさにゼロから事業を立ち上げた、ということですね。創業当初は、実際にどのような状況だったのでしょうか。

ユルゲン・リーベナウ: 大きな課題の一つは、サントリーをはじめとする日本の大手酒類メーカーが、生産量のごく一部しか海外に輸出していないことでした。実際、日本で造られるウイスキーのうち、国外に出るのは全体の3分の1程度にすぎません。

そのため、まず苦労したのが、安定して商品を供給してくれる信頼できる仕入れ先を見つけ、関係を築くことでした。メーカーが本来欧州市場向けに販売していない希少な商品まで扱える仕入れ先となると、さらに限られます。

その後も、日本と欧州双方の法律や、輸入、ラベル表示に関する規制を一から学ばなければならず、事業を軌道に乗せるまでには多くの時間と労力が必要でした。

私たちは、本当に小さな規模から始めました。最初の倉庫は、ミュンヘンのSchwanthalerhoehe地区にある地下室で、家賃は月50ユーロでした。日本からの最初の仕入れも、すべて自己資金で賄いました。

20フィートコンテナに、1パレット当たり400本の商品を10パレット積んで輸入するとなると、商品代金に加えて酒税も前払いしなければならないため、かなりの資金が必要になります。現在であれば対応できますが、創業当初は一度に数パレットずつ仕入れるのが精いっぱいで、1ユーロたりとも無駄にできない状況でした。

2014年の創業以来、目覚ましい成長を遂げているjwhisky.de

2014年の年間売上高は3万ユーロでした。ところが、その年の終わりに大きな転機が訪れます。ウイスキー評論家のJim Murrayが、サントリーの「山崎シングルモルト・シェリーカスク 2013」を世界最高のウイスキーに選んだのです。

それをきっかけに、ジャパニーズウイスキーへの注目が一気に高まりました。それまで「そんなものに興味を持つ人はいない」と言っていた人たちまで、突然ジャパニーズウイスキーを求めるようになったのです。

2015年から2019年にかけて売上は着実に伸び続け、コロナ禍の最盛期には、創業以来最高となる7桁ユーロ規模の売上を記録しました。しかも、それだけの事業を、従業員を雇うことなく二人だけで運営してきたのです。

―― 二人だけでそこまでの事業を動かすとなると、相当な仕事量だったのではないでしょうか。

ユルゲン・リーベナウ: その通りです。ただ、私たちは役割分担が明確なので、非常にうまく機能しています。それぞれが自分の分野の専門家なのです。

私は会社の顔として、営業、仕入れ、展示会への出展、顧客対応を担当しています。一方、ビジネスパートナーは、オンラインショップ、SEO、技術基盤を含む、ITとオンラインマーケティング全般を担っています。

彼のおかげで、インターネットでジャパニーズウイスキーを検索すれば、私たちのショップがすぐに見つかるようになっています。

私たちは、互いの担当領域には口を出しません。単純なことに聞こえるかもしれませんが、実際には決して当たり前のことではありません。それぞれが必要な裁量を持ち、自分のアイデアを自由に実行できるからこそ、この役割分担が非常にうまく機能しているのだと思います。

KEYENCEで働いた経験も、現在の仕事に大いに生かされています。そこで、日本人の仕事に対する姿勢や営業の考え方について、多くを学びました。

特に印象に残っているのは、日本人が自社の商品に強い誇りと自信を持っていることです。私にとって、それは営業の基本でもあります。自分自身が本当にその商品を信じていなければ、それは顧客にもすぐに伝わってしまいます。そこが、優れた営業担当者とそうでない人との違いだと思っています。

私はKEYENCEでその姿勢を身につけました。そして、その考え方は今もjwhisky.deとjsake.deの事業に息づいています。

私自身はそれほど多くのウイスキーを飲むわけではありませんが、取り扱っている商品についてはすべて把握しています。日本の蒸留所にも実際に足を運び、自分たちが何を販売しているのかをきちんと理解することを大切にしています。

―― そのほかにも、jwhisky.deの成功を支えた要因はあったのでしょうか。

ユルゲン・リーベナウ: 正確さ、誠実さ、そして取引先との約束を守ることが、非常に重要だったと思います。

日本人は、一度相手を信頼すると、その関係を長く大切にします。私はその姿勢を、自分たちの会社を経営するうえでの指針として取り入れ、常に長期的な視点で考えるようにしてきました。

満足した顧客は、また商品を購入してくれます。だからこそ、私たちはサービスをとても重視し、判断に迷った場合には、できる限り顧客にとって有利な対応を選びます。また、実現できない約束は決してしません。

特にウイスキーの世界では、販売する側よりも詳しい顧客も珍しくありません。こちらに十分な知識がなければ、すぐに見抜かれてしまいます。

もう一つ、事業運営において一貫して大切にしてきたのが、コストを抑えることです。固定費が低いため、それだけ投資収益率も高くなります。

また、創業当初から、利益率の高い商品だけに注力することは避けてきました。希少で高価なウイスキーは確かに利益率が高いのですが、それだけでは幅広い顧客層を築くことはできません。

私たちは常に、「ウイスキーは飲むためのものだ」と考えてきました。だからこそ、誰もが自分に合った一本を見つけられる品ぞろえを目指しています。

今日、入門向けのウイスキーを購入した人が、それをきっかけに興味を深め、次はより高価な一本を選ぶかもしれません。私たちの商品は、20ユーロから3,000ユーロまで幅広くそろえています。

市場が大きく変化した今、この幅広い品ぞろえが、改めて私たちの強みとなっています。

とても希少なウイスキーを含む、豊富な品揃えに感激するアイヒシュテット
―― まだジャパニーズウイスキーに詳しくない読者のために、まず市場全体について教えてください。主な企業はどこで、ここ数年でどのような変化があったのでしょうか。

ユルゲン・リーベナウ: 私たちが事業を始めた2014年当時、市場を主導していたのは三つの大手企業でした。サントリー、現在はアサヒグループ傘下にあるニッカ、そして欧州では見過ごされがちなキリンです。

サントリーは日本の酒類市場全体のおよそ40%を占めていますが、世界的に需要が高まっているにもかかわらず、海外に輸出しているのは生産量のごく一部にすぎません。

ところが、2017年から2018年頃を境に、市場は大きく変わりました。小規模な独立系蒸留所が次々と誕生し、ここ数年だけでも、およそ30から40の新しい蒸留所が設立されています。現在のジャパニーズウイスキー市場は、これまでになく多様化しており、その流れはスコットランドやアイルランドで起きた変化にも似ています。

その一方で、日本の大手企業も非常に巧みな戦略を進めてきました。サントリーはJim Beamを買収しましたが、その主な狙いは、同社の世界的な流通網を活用することと、バーボン樽を確保することにありました。ニッカはスコットランドのBen Nevisを所有しており、キリンも2026年まではケンタッキー州のFour Rosesを傘下に置いていました。

―― ここ数年、ウイスキーの需要はやや落ち込んでいるようです。市場では何が起きているのでしょうか。

ユルゲン・リーベナウ: 2023年頃から、市場はかなり冷え込んでいます。その背景には、いくつもの要因が重なっています。

まず、世界的に若い世代のアルコール離れが進んでいることです。これは、以前の大きなウイスキー不況の時代には、今ほど顕著ではなかった現象です。日本でも欧州でも、パブや居酒屋を中心とした飲酒文化は徐々に衰退しています。

次に、消費者の購買力が落ちていることです。日本では円安が家計の負担となっており、ドイツでも長く続いた高インフレの影響で、プレミアム商品に使えるお金が少なくなっています。

ウイスキー市場は2023年頃から明らかに冷え込んだと語るリーベナウ氏

そして、投機市場の崩壊です。3、4年前には最大1,300ユーロほどで取引されていた「響21年」も、現在では500ユーロで売ることすら難しくなっています。かつて1,300ユーロから2,000ユーロで取引されていた秩父蒸留所の商品も、今では600ユーロに届くかどうかという状況です。

さらに、地政学的な要因もあります。長年にわたり高級酒の価格を押し上げてきた中国市場が、経済的・政治的な緊張の影響で、ほぼ崩壊してしまいました。これは、日本の生産者にも大きな打撃を与えています。

そして最後に、ウイスキーブームに乗って数多くの新規参入者が市場に押し寄せたことも影響しています。中には、商品の中身よりもパッケージに力を入れたものも多く、それによって一部の消費者がウイスキーから離れてしまった面もあります。

―― こうした市場の変化に、どのように対応しているのでしょうか。

ユルゲン・リーベナウ: 私たちは、これまで一貫して強みとしてきたものに、改めて力を入れています。つまり、顧客を第一に考える姿勢と、あらゆる価格帯をカバーする幅広い品ぞろえです。

市場の中心が、収集や投機を目的とした商品から、実際に飲むためのウイスキーへと移りつつあることは、私たちの考え方と完全に一致しています。私たちが販売しているのは、あくまで飲むための商品です。

以前から中価格帯や手頃な価格帯にも良質な商品をそろえてきたため、投機市場が落ち込んでも、私たちは比較的影響を受けにくいのです。

同時に、卸売業者との取引も拡大しています。それによって日本酒事業への参入も可能になりました。日本酒の分野では、飲食店や小売店との連携が欠かせないからです。そして、そこで築いた関係は、ウイスキー事業にも新たな可能性をもたらしています。

また、今後の成長市場として、東欧にも目を向けています。ポーランド、チェコ、バルト三国は、多くのドイツの小売業者がまだ十分に注目していない市場です。

これらの地域は人口が比較的若く、購買力も伸びています。そして何より、今もお酒を飲む文化がしっかりと残っています。私は現在、こうした国々で新たな人脈や取引関係を築いているところです。

すでにオーストリア、チェコ、オランダ、リトアニアには、私たちの商品を取り扱うパートナーがいます。事業は順調に進んでおり、今後についても非常に前向きに考えています。

―― 先ほど日本酒事業への参入について触れられました。2022年からは、jsake.deというもう一つの事業も展開されています。一方で、日本酒市場はすでに飽和しているともいわれます。なぜ、この分野に参入しようと考えたのでしょうか。

ユルゲン・リーベナウ: 市場が飽和しているというのは、あくまで一部についての話です。小規模なクラフト酒蔵が造る個性的な日本酒は、欧州ではなかなか手に入らず、見つかったとしても非常に高価です。そのため、新たに日本酒を飲んでみようと思っても、価格の高さが参入の壁となり、市場の広がりを妨げています。

そこで、私たちの出番です。生産者から直接輸入し、物流、通関、倉庫管理、受注から出荷まで、ウイスキー事業ですでに構築していた仕組みを活用しています。これにより、より競争力のある価格で商品を提供できます。

私たちが扱っているのは大量生産品ではなく、品質が高く、それでいて適正な価格で楽しめる日本酒です。2023年には約800本からスタートし、2025年には販売本数が約1万本まで増えました。2026年もさらなる成長が見込まれており、今後2年以内に日本酒事業だけで年間売上高10万ユーロ以上を達成できると考えています。

―― レストランで食事に合わせるお酒を選ぶ際、日本酒ではなくワインを注文する人も多いと思います。ドイツで特に人気の高いワインと競合することに、難しさは感じませんか。

ユルゲン・リーベナウ: 確かに難しさはありますが、同時に大きな可能性もあります。日本酒には、ワインにはない大きな利点があります。タンニンがなく、酸味も穏やかだということです。

それに、ドイツで日本への関心が非常に高まっていることは間違いありません。真夏にテューリンゲン州の小さな町で開催された見本市に出展した際、私たちのブースで柚子を使った日本酒のハイボールを提供しました。これが大変好評で、すでに日本酒を知っていたり、飲んだことがあったりする来場者の多さには、私自身も驚きました。

日本酒業界が抱える課題に興味を抱くアイヒシュテット

一方、日本では日本酒そのものがイメージの問題を抱えています。若い世代にとって、日本酒は年配の人が飲むものという印象が強いのです。

さらに、欧州などから安価な輸入ワインが大量に入ってきています。以前は1,400円ほどしていたワインが、今では600円から700円で買えるようになっています。その影響で、多くの小規模な酒蔵が存続の危機に直面しています。

加えて、後継者不足も深刻です。素晴らしい日本酒を造っているにもかかわらず、経営者が70代前半で、後継者が見つからない酒蔵を私はいくつも知っています。今後5年から10年の間に、こうした小規模な酒蔵が数多く姿を消せば、そこで受け継がれてきた独自の伝統や製法も失われてしまいます。

―― 日本の生産者と仕事をする中で、どのようなことを感じていますか。

ユルゲン・リーベナウ: お互いに支え合う、共生関係だと考えています。日本国内では日本酒の需要が落ちているため、欧州市場は酒蔵にとって大きな可能性を持っています。

しかし、小規模な事業者にとって、輸出に伴う煩雑な手続きを自力で乗り越えるのは、ほとんど不可能です。私たちはこの分野の専門知識を身につけているので、そうした負担を生産者に代わって引き受けることができます。酒蔵には日本国内で私たちに商品を販売してもらい、その後の手続きはすべてこちらで対応します。

私たちは、生産者と直接取引することを非常に大切にしています。中間業者を減らすことで、商品から生まれる価値を、より多く生産者の手元に残せるからです。

フェアトレードは、私たちにとって事業の根幹をなす考え方です。生産者には、その商品に見合った適正な対価が支払われなければなりません。無理に価格を引き下げれば、結局は自分たちの仕入れ先を弱らせ、長期的には自らの首を絞めることになります。

もちろん、課題もあります。家族経営の中には、昔ながらの仕組みに強くこだわり、柔軟な対応が難しいところもあります。

以前、300ミリリットル瓶での納品をお願いしたことがありました。しかし、その生産者は、すでにすべてを720ミリリットル瓶に詰める計画を立てていました。追加で小瓶を購入し、大瓶の一部を翌年用に回すという方法もあったはずですが、依頼は断られました。

輸入業者と生産者が協力していくためには、双方に歩み寄る姿勢が必要です。

一方で、まったく異なる例もあります。私が取引しているある酒蔵では、若い後継者が経営を全面的に任されています。日本では、引退後も上の世代が会社に強い影響力を持ち続けることが多いため、これはやや珍しいケースです。

彼は現代的で柔軟な考え方を持ち、新しいことにも積極的に挑戦します。また、国際市場を意識して商品を考えることにも長けています。そうしたパートナーと仕事をするのは、本当に楽しいことです。

日本のパートナーとの相互の信頼という強固な基盤の上に築かれている jwhisky.deとjsake.de

日本の取引先の良いところは、一度関係を築けば、長く信頼できることです。日本人は非常に義理堅く、取引関係を大切にします。信頼の土台を築くまでには時間がかかりますが、一度それができれば、その後も継続して取引してもらえるという安心感があります。

事業を始めた当初は本当に苦労しましたが、今ではその積み重ねが成果となって表れています。仮に競合他社が生産者を引き抜こうとしても、私たちのパートナーは関係を続けてくれると確信しています。それこそが、強固な取引関係の証しだと思います。

―― 先ほど、日本から輸入する際のさまざまな手続きについて話されました。酒税、ラベル表示、ボトル容量、日本とEU双方の法律などです。こうした複雑さは競争上不利な点なのでしょうか。それとも、新規参入を阻む壁として、結果的に御社を守っているのでしょうか。

ユルゲン・リーベナウ: 振り返ってみれば、その両方だったと思います。創業当初は、その複雑さに非常に苦しめられました。サントリーの流通制限から、EU域内で酒税を管理するEMCSという仕組み、さらに米国仕様の750ミリリットル瓶をドイツ市場向けに700ミリリットルとして表示し直す必要まで、対応すべきことは多岐にわたりました。

こうした知識は、本を読んだだけで身につくものではありません。長年にわたり、実際の現場で苦労しながら経験を積むことで、ようやく身につくものです。

そして今では、その蓄積された知識が大きな競争優位になっています。仮に今、ゼロから同じことを始めろと言われても、もう一度この複雑な仕組みを一から乗り越えるだけの気力はないと思います。

しかし私たちは、すでにこうした課題を克服し、必要な事業基盤を整えています。だからこそ、海外展開を目指す日本の酒蔵にとって、理想的なパートナーになれるのです。

―― 5年後、jwhisky.deとjsake.deはどのような事業になっていると考えていますか。

ユルゲン・リーベナウ: ウイスキー事業は安定しています。私たちの名前はすでに市場で知られており、顧客も、私たちの店で何が買えるのかを理解してくれています。

一方、日本酒事業は、ウイスキー事業でいえば8年から9年前と同じような段階にあります。まだ開拓されていない可能性が多く残っているため、今後はこの事業の拡大に力を入れていきます。

これからの数年は、国際展開が大きなテーマになるでしょう。東欧でのパートナーネットワークをさらに広げ、これまで十分に注目されてこなかった市場を開拓していきます。この先駆的な取り組みが成功すれば、関わるすべての人にとって大きな成果につながるはずです。

日本酒事業に眠っている多くの可能性を見るリーベナウ氏

さらに、すでに構築した輸入の仕組みを最大限に活用できる、日本の別のニッチ商品についても検討しています。ウイスキーであれ、日本酒であれ、あるいは日本の別の商品であれ、私たちの原則は変わりません。生産者を公正に扱い、顧客に不当な利益を求めず、そして焦らずに事業を育てていくことです。

2014年から現在まで事業を続けてこられたのは、偶然ではありません。誠実な取引関係を築き、長期的な視点で考えていれば、莫大なマーケティング予算は必要ありません。良い商品は、それ自体に力があります。私たちがすべきことは、それを必要としている人のもとへ、きちんと届けることなのです。

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