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鴻池運輸「課題の本質を捉え、実務を引き受ける」

3月 25, 2026 by Bjoern Eichstaedt and Emily Bischof

1880年に創業した日本の物流企業・鴻池運輸株式会社は、伝統的な価値観と最先端技術を融合させてきた企業である。日本における物流サービスおよび生産支援のパイオニアとして、同社は数多くの変革を経験し、145年にわたり絶えず自己革新を続けてきた。現在では、鉄鋼や自動車、食品・飲料、空港地上業務、医療機器メンテナンスに至るまで、幅広い産業分野にサービスを提供している。鴻池忠嗣氏は、同社の取締役 兼 専務執行役員であり、創業家五代目の代表の一人である。国際化および技術革新を担当し、2022年以降はドイツ事業の構築にも取り組んできた。J-BIGは同氏に、同社の波乱に満ちた歴史、ドイツとの特別な関係、合弁会社エアハルト・コノイケ・ソリューションズ、そしてドイツ発のインダストリー4.0技術が日本の物流の未来にどのような影響を与えているのかについて話を聞いた。

―― 少し歴史を振り返らせてください。鴻池家の一員でいらっしゃるということは、御社の歩みはそのままご家族の歴史とも重なると言えます。1880年、鴻池の歴史はどのように始まったのでしょうか。

鴻池忠嗣: 私は創業家五代目にあたります。1880年、明治時代の激動期に、曾祖々父・鴻池忠治郎が人材派遣および運搬業として創業しました。当時の日本は大きな変革のただ中にありました。1876年には政府が廃刀令を出し、武士が刀を帯びることが禁じられ、西洋の影響が本格的に広がり始めた時代です。

当社の成長の出発点となったのは、具体的な社会課題でした。大阪近郊には琵琶湖があり、そこから淀川が流れています。この川はたびたび大規模な洪水を引き起こしていました。そこで日本政府は、洪水を防ぐために河川の流路を変更するという大規模なインフラ事業を曾祖々父に委ねました。

興味深いことに、ここにはすでにヨーロッパとの最初の接点があります。曾祖々父は、オランダ人技師から河川工事の技術を学びました。約150年前、日本は灌漑や治水の分野で多くをオランダの技術者から学んでいたのです。曾祖々父は40代でこの国家的プロジェクトに挑みました。これが当社の原点です。

鴻池運輸の設立の歴史について語る鴻池氏 // Photo series: Maximilian von Lachner
―― 鴻池は当初、物流会社というよりも建設会社としてスタートしたように聞こえます。その後、事業はどのように発展していったのでしょうか。

鴻池忠嗣: 当初、建設事業と物流事業は密接に結びついていました。物流は建設会社の一部門にすぎませんでした。主に船舶を使って建設資材を運搬していたのです。つまり、建設プロジェクトを支えるために大量の資材を輸送する必要があったことが、物流事業の原点でした。

大きな転機となったのは第二次世界大戦の時期です。戦時下では物流が極めて重要な役割を担い、日本政府は建設会社と物流会社の分離を命じました。こうして一つの会社は二つの独立した企業へと分かれました。建設会社は現在も存続していますが、私の家族は経営には関わっておらず、親族の一人が顧問を務めているのみです。私の家系はその後、物流事業に専念することになりました。

もっとも、分離以前から、建設と物流だけにとどまらず、1900年には鉄鋼業界との取引も開始し、日本で初期に設立された製鉄所の一つと関わるようになっていました。ここから、現在も当社の特徴となっているビジネスモデルが生まれました。私たちは単に物流を担うだけでなく、生産現場の支援まで行うという点で、他の物流企業とは一線を画しています。

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―― その独自のビジネスモデルについて、もう少し詳しく教えてください。鴻池は他の物流会社と何が違うのでしょうか。

鴻池忠嗣: 一般的な物流会社、いわゆる3PL(Third Party Logistics)は、企業の物流業務のみを担います。しかし当社はそれにとどまりません。物流だけでなく、生産業務そのものも請け負います。これを私たちは3PP(Third Party Production)と呼んでいます。つまり、鴻池は3PLに3PPを加えた企業であり、これが物流業界における当社の最大の特徴です。お客様は、自社のコア業務以外を当社に委託することになります。

このモデルは、1900年代に製鉄所構内での荷役・輸送業務を開始したことから始まりました。その後、製鉄所内での業務範囲を徐々に拡大し、原材料の受け入れから生産工程の支援、完成した鋼材の梱包・保管・出荷まで、製鉄所内の物流全体を担うようになりました。重工業とのこうした密接なパートナーシップは、当社の発展を大きく方向づけました。戦後の日本産業の復興と歩調を合わせる形で、当社も成長してきたのです。

1950年代には食品・飲料業界へと事業を拡大しました。ここでも物流にとどまらず、たとえば飲料の瓶や缶への充填など、生産や包装工程の一部を担っています。さらに空港事業にも進出し、航空会社向けのグランドスタッフ業務を提供するようになりました。たとえば日本航空(JAL)の空港スタッフの中には、JALの制服を着ていても実際には鴻池の社員であるケースがあります。

現在では医療分野にも事業を広げています。病院から手術器具の洗浄業務を受託し、医療機関が本来の医療行為に専念できるよう支援しています。企業が抱える課題や負担を把握し、自社では対応しきれない、あるいは対応したくない業務を引き受けること。それが私たちの事業の本質です。

鴻池運輸は顧客の物流業務だけでなく、その他分野も請け負う3PP企業
―― お客様が抱える「課題」は、時代とともにどのように変化してきましたか。50年前と現在では、どのような違いがありますか。

鴻池忠嗣: かつて企業が外部に委託していたのは、自社では対応したくない業務でした。たとえば、危険を伴う作業、手間のかかる業務、あるいは負担が大きい仕事などです。

しかし現在は状況が大きく変わっています。最大の課題は深刻な人手不足です。日本は移民が多い国ではないため、労働力不足の問題は、欧州と比較しても非常に深刻です。その結果、企業からの需要は自動化へと大きくシフトしています。

―― これまでの国際展開について、また現在のグローバルにおける位置付けについて教えてください。

鴻池忠嗣: 当社の国際化は、1980年代から90年代にかけて本格化しました。まずは東南アジアに進出し、シンガポールや中国に拠点を開設しました。当時、アジア各国に生産拠点を設立する日本企業を支援する形で物流業務を担いました。当時の現地物流企業のサービス品質はまだ十分とは言えず、日本企業にとっては信頼できるパートナーが必要だったのです。

その後、北米市場にも進出しました。1990年代にはベトナム、2000年代にはタイ、フィリピン、インド、バングラデシュへと展開を広げ、近年ではお客様のグローバル化に伴い、欧州にも進出しています。

現在、当社グループは14カ国に拠点を持ち、世界全体で約2万5,000人を雇用しています。その大半は現場で働く社員で、倉庫や生産ライン、空港などで業務に従事しています。一方、管理職やオフィススタッフといったホワイトカラー人材は比較的少なく、日本国内で約1,000人程度です。

本社は創業の地である大阪に置いています。グループ全体の売上高は約3,450億円、ユーロ換算で約22億ユーロとなり、物流業界において一定の存在感を持つ企業へと成長しました。世界的な巨大企業ほどの知名度はありませんが、確かなポジションを築いています。

もっとも、国際展開を始めた当時とは状況が大きく変わりました。現在ではアジア各国の物流企業のサービス品質も大きく向上しています。また、ドイツを含む海外各国には多くの日本メーカーが進出しており、物流ニーズも多様化しています。そうした中で、「なぜドイツで日本の物流会社に業務を委託するのか」という問いに対する明確な価値を示すことが求められています。私たちはその変化に適応し、日本国内にとどまらず、世界中で最適なサービスを提供できる体制づくりを進めています。

私は現在、国際事業と技術革新という二つの中核分野を担当しています。ドイツにおける私の使命もこの二点にあります。一つは、ドイツが先行するインダストリー4.0の取り組みから学び、技術革新を推進すること。もう一つは、当社を真のグローバル企業へと変革していくことであり、その中でドイツは重要な役割を担っています。

―― ドイツとの関わりはいつ始まり、なぜ他の欧州諸国ではなくドイツを選ばれたのでしょうか。

鴻池忠嗣: 私がドイツに赴任したのは2022年です。最初はフランクフルトに拠点を置き、当社として初めてドイツに常駐する社員となりました。その後、デュッセルドルフで法人登録を行い、オフィスを開設。2025年にはジョイントベンチャーを設立しました。現在は私を含む3名の駐在員に加え、ジョイントベンチャーを通じて多くのドイツ人スタッフとともに事業を進めています。

もっとも、当社とドイツとのつながりは、はるか以前にさかのぼります。創業期、曽祖父が河川改修工事を担った際、ヨーロッパ、とりわけオランダの技術者から工法を学びました。当時の土木工学はドイツの技術基準の影響を強く受けており、その流れは当社の歴史の中にも息づいています。

さらに文化的な側面もあります。日本では、ドイツの鉱山文化、特に「Glückauf(グリュックアウフ)」の精神が大きな影響を与えました。安全を重んじ、仲間を思いやり、互いに助け合うというこの文化は日本に伝わり、日本的価値観と親和性を持ちながら企業文化の一部として根付いてきました。個人的に興味深いのは、ドイツではこの精神がやや忘れられつつある一方、日本では今もなお生き続けている点です。私はいつか、この精神をドイツに改めて紹介したいと考えています。これは単なるビジネスではなく、私にとっては一つの文化的使命でもあります。

とはいえ、ドイツに来た理由はそれだけではありません。日本は深刻な人口減少・高齢化という課題に直面しています。移民も限定的であり、研究によれば2030年までに日本の全職種の約26%が自動化を必要とする見通しです。これは世界でも最も高い水準です。

当社も早い段階から業務の自動化に取り組んできました。しかし、その過程で重要なことに気づきました。第三次産業革命期のように、人を単純にロボットへ置き換えるだけでは十分ではないということです。むしろ生産性が低下する場合さえありました。鍵となるのは、デジタルツインなどのインダストリー4.0技術を活用した最適化、すなわち高度なネットワーク化と制御です。

多くの専門家から、インダストリー4.0の分野ではドイツが世界をリードしていると聞いてきました。最初は半信半疑でしたが、調査を重ねるうちに確信しました。本気でインダストリー4.0を学ぶのであれば、最先端に立つ国から学ぶべきであると。そして、その国がドイツだったのです。

―― ドイツのインダストリー4.0は、米国や日本のアプローチと具体的にどのような違いがあるのでしょうか。

鴻池忠嗣: 重要な問いだと思います。米国は「インダストリアル・インターネット」という考え方を掲げ、日本は「Society 5.0」を推進しています。それぞれに特徴がありますが、私の見解ではドイツにはいくつか決定的な強みがあります。第一に、標準化への姿勢です。ドイツはオープンスタンダードを重視しています。一方、米国や日本では独自仕様のシステムに依存するケースが少なくありません。オープンスタンダードは真の相互運用性を実現し、異なる企業やシステム間の連携を容易にします。第二に、機械工学の伝統です。ドイツ企業は長年にわたり製造業、とりわけ機械工学の分野で強みを築いてきました。物理的な生産プロセスに対する理解の深さは非常に高く、簡単に模倣できるものではありません。そして第三に、持続可能性と長期的視点への重視です。欧州グリーンディールや「修理する権利(Right to Repair)」といった概念に見られるように、欧州、特にドイツは短期的な効率だけでなく、長期的で持続可能なシステム構築を志向しています。これは今後の産業の在り方を考えるうえで、極めて重要な視点だと考えています。

産業のデジタル化に向けた様々なアプローチに関心を持つアイヒシュテット
―― ドイツで設立されたジョイントベンチャーについて詳しく教えてください。

鴻池忠嗣: ジョイントベンチャーの名称はEKS(Ehrhardt Konoike Solutions)です。ドイツの倉庫管理システムおよびイントラロジスティクス分野をリードする企業、Ehrhardt Partner Groupとのパートナーシップにより設立しました。

そこで取り組んでいる内容は非常に挑戦的かつ刺激的なものです。顧客向けに実際の倉庫運営を行いながら、それを同時に最先端のデジタルソリューションを開発する実証の場、いわば開発ラボとして活用しています。日本とドイツのエンジニアが並んで協働し、グローバル市場で通用する競争力のあるソリューションを共に生み出しています。私たちの目標は、DHLやKuehne + Nagelといった業界の大手プレイヤーと真正面から競争できるツールや仕組みを構築することです。欧州、とりわけドイツは世界の物流大手がしのぎを削る主戦場です。ここで成功するためには、高度なデジタル技術を習得するだけでなく、さらに発展させていくことが不可欠だと考えています。

Ehrhardt Konoike Solutionsは倉庫管理システム分野におけるデジタルソリューションの開発を専門としている
―― どのようなデジタルソリューションを開発しているのでしょうか。

鴻池忠嗣: 代表的な例の一つが、倉庫管理システムです。日本の大規模倉庫の多くでは、いまなお多くの業務が手作業や現場の経験に基づいて運用されています。どの商品をどこに保管するかといった判断も、熟練した作業員の「勘」による部分が少なくありません。

具体例を挙げると、当社は日本の主要コンビニエンスストア各社の物流を担っています。冷凍ラーメンだけでも非常に多くの種類があり、どの商品が今よく売れているのか、どこに配置すれば迅速に出荷できるのかを、現場の作業員は経験的に把握しています。

この知識――ある人は「直感」と呼ぶかもしれませんが、私は「経験」と捉えています――を、いま私たちはデジタルシステムへと落とし込もうとしています。熟練作業員が退職すれば、そのノウハウは体系的に記録されていない限り失われてしまいます。システム化することで、知識を継承できるだけでなく、AIを活用してより迅速かつ精緻に分析・最適化することも可能になります。

―― 現場の経験知をすべてシステム化し、さらにAIを統合していくと、将来の世代がその知識の本質を理解できなくなるリスクもあるのではないでしょうか。AIによって蓄積された知識が、次世代にも正しく活用されるよう、どのように担保していますか。

鴻池忠嗣: 私の考えでは、その解決策は堅牢なデータ基盤の構築にあります。私たちは、やみくもにすべてをデジタル化しているわけではありません。透明性があり、誰にとっても理解可能な、統一された基盤システムを構築することを目指しています。

そして、その根底には必ず哲学が必要です。この知識を守り、次世代へ確実に引き継いでいくのだという強い意思がなければなりません。安全性や品質、そして継続的な改善の重要性を本質的に理解する人材がいてこそ、技術は意味を持ちます。テクノロジーはあくまで道具にすぎません。その基盤となる哲学は、人が担い続けるべきものなのです。

これまでの同社の業績に非常に満足する鴻池氏
―― 鴻池における技術革新は、どの程度具体的に進んでいるのでしょうか。

鴻池忠嗣: すでに顕著な成果を上げています。例えば、製鉄所では全長60キロメートルに及ぶコンベヤーベルトを運用しています。以前は作業員がこれらを目視で点検しており、危険かつ時間のかかる作業でした。現在では、AIによる画像解析を組み合わせたドローンを活用しています。その結果、点検にかかる時間は83%削減され、従業員の安全性も大幅に向上しました。もう一つの例が、コンベヤーベルト下部の清掃作業です。これも危険を伴う業務でしたが、当社が独自に開発したロボットが担うことで、作業時間は87%短縮され、何よりも事故ゼロを実現しています。

こうした技術主導型事業の収益性は、従来の5%から35%へと大きく改善しました。しかし、私個人の使命の核心は、職場から事故をなくすことにあります。社内外を問わず、大切な人を失う経験を誰にもしてほしくありません。もちろん安全教育は徹底していますが、それに加えてテクノロジーの力を活用し、より安全な職場環境を実現したいと考えています。AIを活用したフォークリフトの衝突防止システムや自動運転フォークリフト、危険な点検作業を担うドローンは、労働力不足への対応や収益性向上という側面もありますが、最終的な目的は一つです。それは「人が無事に家へ帰ること」です。私にとって、これこそが「グリュックアウフ」文化の本質、すなわち互いを思いやり、仲間の安全に責任を持つという精神です。この文化を、ドイツのパートナーとともに改めて根付かせていきたいと考えています。

―― 日本企業が、もともとドイツ発祥の文化をドイツへ“逆輸入”しようとしているのは、興味深い構図ですね。

鴻池忠嗣: これは、文化が相互に影響を与え合い、豊かにしていく好例だと思います。150年前、日本はヨーロッパから多くを学びました。工学技術、産業文化、組織の在り方などです。

そして今、ドイツでは一部で忘れられつつある価値観を、日本が受け継ぎ、守り続けてきたものとして、再びお返しできるのかもしれません。文化は一方向ではなく、時代を超えて行き来するものだと感じています。

ドイツ発祥の「グリュックアウフ」文化はが日本で重要な役割を果たしている――そのことに魅了されるアイヒシュテット
―― 現在、ドイツには駐在員が3名いらっしゃるとのことですが、今後のドイツにおける鴻池運輸の展開をどのように見ていますか。

鴻池忠嗣: 私たちにとってドイツは、単なる「学びの場」ではありません。同時に、重要な市場でもあります。DHLをはじめ、世界的に成功している大手物流企業の多くがドイツ発であることからも分かるように、ここはグローバル物流の中心地の一つです。日本のサービス品質は国際的にも高い評価を受けています。だからこそ、日本の物流企業にも、サービス分野で世界的に成功できる可能性があると私は考えています。ただし、西洋モデルをそのまま模倣するのではなく、日本の品質基準と欧州の「Industry 4.0」技術を融合させることが鍵になります。私のビジョンは、鴻池運輸を真のグローバル企業へと進化させることです。単に「海外拠点を持つ日本企業」ではなく、それぞれの市場に深く根ざしながら、異なる文化の強みを統合できる企業を目指しています。

例えるなら、今の私たちは日本のサッカーリーグ「Jリーグ」でプレーしている段階です。真にグローバルになるためには、「UEFAチャンピオンズリーグ」で戦える実力を身につけなければなりません。現時点では、まだ世界最高峰で戦う力は十分とは言えません。しかし、世界のトッププレイヤーが集うヨーロッパで事業を展開することで、その力を着実に高めているところです。

鴻池運輸はより安全な世界の実現を目指す
―― 最後に、次世代の鴻池運輸について、どのようなビジョンを描いていらっしゃいますか。

鴻池忠嗣: 145年にわたる鴻池運輸の歴史が示しているのは、変革とは一度きりの出来事ではなく、継続的なプロセスであるということです。第二次産業革命から第三次、そして「Industry 4.0」に至るまで、私たちは常に社会のニーズに合わせて自らを変化させてきました。今度は、ドイツおよび世界中のパートナーとともに、再び変革に取り組む番です。

私たちの「Vision 2030」は、「テクノロジーの力で人々の挑戦を支える」というものです。具体的には、新技術を活用して現場の安全性を高め、創造的な職場環境を生み出す高度な仕組みを推進します。また、熟練者の暗黙知を形式知へと転換し、グループ全体の資産として共有することで、組織の適応力を強化していきます。さらに、安全・安心の基準を一層高め、次世代型ビジネスを創出し、持続可能な社会インフラの革新に貢献していきます。

しかし何よりも、私個人として大切にしている目標があります。それは、ビジネスを通じてより平和な世界に貢献することです。紛争状態にある国同士の人々が、政治的緊張を超えて友情を築く姿を、私は実際に見てきました。個人や企業間の国際的なつながりを強めることは、平和の促進において重要な役割を果たし得ると考えています。

ドイツと日本のエンジニアが共に解決策を模索し、互いに学び合いながら革新を生み出すとき、それは単により優れた倉庫管理システムを構築しているだけではありません。文化と文化をつなぐ橋を架けているのです。企業が経済主体としての役割を超え、文化をつなぐ存在となり、より良く安全な世界を後押しする存在へと進化すること。それこそが、企業にとって究極の変革だと私は考えています。

ドイツを拠点に企業の変革をさらに推進していきたいと目指している鴻池氏

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